2017年01月18日

『太平記』の「鬼切鬼丸」の話って…(その2)

こんばんは、今日はようやく
3日前の「『太平記』の「鬼切鬼丸」の話って…(その1)」の続きです。


足利高経(ってか斯波高経)と言えばまず最初に言及されるひどくダサめなエピソード
『太平記』の「鬼切鬼丸」の話ですが
これは実は、「 "ある人物" が噂として流した "作り話" 」という
非常に興味深い隠しネタを秘めた要注意案件であって
「何の為にそんなアホな作り話を…」という問いへの答えが
文和の大決戦の真相に直結するスペシャル重要ファクターなのであるからして
あの話をそのまま実話として受け取ってしまってはトラップなのでありますよ
やんごとない高経様がそんなせこい事するはずないじゃないですか!
おい○○!!(←"ある人物")
君の方便は一見巧妙だが、ネタ明かしするとアホ過ぎて、毎度毎度腹よじれるわ!!


…という事ですが
まず前提としまして、『太平記』の「鬼切鬼丸」の話についてですが
これは以前『Muromachi通り』の「室町的鎌倉旅行記(その2)」(2015.12.25)
の最後の方で解説したのでそれを参照して頂くとして…
とか言われても、こんなだだ長い記事を読み直すのもめんどいでしょうから
ここに改めて転載したと思います。ちょっと所々手直しを加えて。



――――(↓以下、改訂コピペ)――――


ところで、上記の有名な「鬼切鬼丸」の話ですが
これは『太平記』の記述でして
『観応の擾乱』以降、高経はほぼ、いわゆる反尊氏派として戦っていたのですが…

もともと高経は一族の中でも忠戦比類なく
将軍(=尊氏)もそれを特別賞賛して、世間でも重んじられていたのに
なんで将軍に背いてんの?? なんか理由あんの??
マジで意味分からんのだけど???
…と疑問に思った『太平記』の筆者が、その訳を調べたところ
(幕府誕生の翌々年の)建武5年(1338)閏7月2日
高経軍が越前国で、南朝の新田義貞を討ち取った時
高経は、新田義貞が倒幕以来所持していた「鬼切・鬼丸」(おにきり・おにまる)という
二振(ふたふり)の太刀を入手したのだが
これは「源平累代の重宝」という宝刀であったので、尊氏が
「これは末々の源氏が持つ代物じゃない
 嫡流のうちが相伝するから急いで進上するように! OK?」
と催促したところ
それを惜しんだ高経が「(ふ…渡してたまるか)」と内心企み
「太刀を預けておいた時衆の道場が炎上して
 太刀も一緒に焼けちゃいました!」
と言って
予め用意しておいた同じ長さの太刀二振を
わざわざ丸焦げにして尊氏に差し出してまんまとやり過ごし…
…たと思ったら、その嘘は後で見事にばれてしまい
将軍ぶち切れ、しかも高経逆ギレ
以来関係は悪化し
『観応の擾乱』で反尊氏派と化す高経であった、マル。

…という話なのですが。



てゆうか!! これはどう考えてもてきとーな作り話です!!

だいたい、斯波家は源氏の末流どころか、当初は "ほぼ足利" だった訳で
本当は高経の家系が足利宗家を継いでいた可能性もめっちゃ高かった
…という事情をよく知っていただろう尊氏が
当時まだ足利を名乗っていた高経に、「末々の源氏」なんて言い方するって…
不自然にも程があります!


しかもこの話は、冒頭では…
「(これまで長らく)将軍は高経の忠功を特別賞賛していたのに…」
と言っているのに
鬼切鬼丸の話の後では…
「怒った将軍は、高経に忠功に見合った恩賞を与えず
 建武5年以来そんな事が重なって、それで高経が逆ギレた」

と言ってて、矛盾してんじゃん! ってゆう。
(※建武5年は、幕府開始の超初期です。)


極めつけはあれですよ
その後、「鬼丸」(=鬼丸国綱)は足利将軍家
「鬼切」(=鬼切安綱)は高経の弟家兼の子、兼頼の家系の羽州探題最上家
それぞれ伝来しているんですよ。
それってつまり…

 尊氏と高経が半分こしたってことじゃん!!
 なにそれ超仲良いじゃん!!!

もし『太平記』の通りなら、二振とも斯波家に伝わっているはず。

(※註…この当時は、「鬼切鬼丸」は尊氏と高経で半分こしたと考えていましたが
 現在は、「鬼切」は尊氏から直接(高経の甥の)兼頼に贈られた可能性を考えています。)



という訳で
「鬼切鬼丸」の件で高経がせこい嘘付いて独り占めしたとか…

 超てきとーな作り話です!!

まあおそらくは、『太平記』の筆者の作り話ではなくて
当時の超てきとーな噂話を、筆者がそのまま書き留めてしまっただけだと思いますがw


――――(↑以上、改訂コピペ)――――



まあ、この『太平記』の逸話単独で見ても "矛盾" があるので
「なんか怪しい…」とは、そこはかとなく感じる話な訳ですが
では、その怪しさとは一体―――

…と追求したいとこですが
コピペだけで長くなり過ぎたので、明日以降に続きます。



posted by 本サイト管理人 at 23:56| Comment(0) | ☆開店休業中(2016.10.1-2017.6.13)
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